時効期間経過後の訴訟や支払督促
1 時効の更新事由
前回のブログに引き続き、消滅時効における、裁判上の請求等(民法147条)について解説します。
2 消滅時効期間経過後の裁判上の請求等
弁護士として相談を受ける中でときどきあるのが、消滅時効期間が経過した後に債権者から訴訟や支払督促が起こされる場合です。
この場合、訴訟や支払督促の手続きの中で、債務者側から、「消滅時効期間が経過していて、消滅時効を援用するから支払義務がない。」というようなことを適切に主張すれば、債権者の請求は認められないことになるので、消滅時効期間が経過しているのに債務者が支払義務を負い続けることはありません。
では、これらの訴訟や支払督促になんの対応もしなかった場合、どうなってしまうのでしょうか。
3 訴訟に対応しなかった場合
訴訟の場合、債務者である被告が反論しなければ、債権者である原告の請求をそのまま認める判決が出ます。
判決には「既判力」というものがあるため、たとえ事実関係としては消滅時効期間が経過していたとしても、判決によって上書きされ、債務者である被告は債務の支払義務を負い続けることになります。
4 支払督促に対応しなかった場合
支払督促の場合、基本的には確定判決と同一の効力があるのですが、判決のような既判力はないという解釈が一般的です。
そのため、仮執行宣言付支払督促が確定した後も、消滅時効が完成していると主張して、支払義務を免れたり、強制執行を止めることが可能です。


