強制執行等による時効の更新と、催告
1 時効の更新事由
前回のブログに引き続き、消滅時効の更新事由について解説します。
今回は、強制執行等(民法148条)についてです。
2 強制執行等による時効の更新
強制執行や、担保権の実行、民事執行法に定められている財産開示手続き(民事執行法196条)または第三者からの情報取得手続き(民事執行法204条)を行うと、これらの手続きを行っている間は時効が完成せず、これらの手続きが終了すると、時効期間が更新され、手続きが終了した時点から、新たに消滅時効の期間が進行します。
ただし、これらの手続きが途中で取り下げられたり、法律の規定に従わないことを理由に取り消されたような場合には、取り下げや取り消しから6か月が経過するまでは時効が完成しないという、時効の完成猶予の効果にとどまります。
つまり、強制執行等が適法に終了すれば、時効期間はリセットされますが、取下げ等の場合は、終了してから6か月時効が完成しないだけ、ということになります。
3 催告
時効の完成猶予に関して、催告(民法150条)というものがあります。
時効完成前に催告がなされると、催告から6か月、時効の完成が猶予されます。
弁護士として時効援用の相談を受ける中でときどきあるのが、時効の起算点からギリギリ5年経っているものの、5年が経過する直前に請求書が届いているような場合です。
この場合、請求書は催告にあたりますので、請求書が届いてから6か月以内に債権者から訴訟や支払督促を起こされると、時効が完成しないことになってしまいます。
そのため、請求書が届いて6か月がたってから時効援用をするのが無難です。


